ダイエットをしてる人の多く(特に女性)は、体重を減らすことがダイエットだと思っています。
実際、僕が見てきた人のほとんどが、体重が減ると喜び、体重が増えると落ち込みます。
しかし、体重だけを見てるとダイエットは間違いなく失敗します。なぜなら、体重は軽ければ良くて重ければ悪いという単純なものではないからです。
体重の「中身」
体重は(極端に)大きく分けると「脂肪」と「筋肉」の2つに分けることができます。
1キロの筋肉と1キロの脂肪はどちらも重さは全く同じですが、筋肉は脂肪に比べて「小さい」のです。
1キロの鉄アレイと1キロの綿あめを想像してみてください。重さは同じでも、大きさは全然違いますよね?
筋肉と脂肪も同じです。鉄アレイが筋肉で、綿あめが脂肪です。
身体の中の筋肉の割合を「筋肉率(骨格筋率)」、脂肪の割合を「体脂肪率」と言います。この2つは連動していて、筋肉率が上がれば体脂肪率は下がり、体脂肪率が上がれば筋肉率は下がります。
また、この2つの割合のバランスによって「体型(=見た目)」が変わります。
たとえば同じ50キロの女性でも、体脂肪率20%の女性は引き締まって見えますが、体脂肪率30%の女性はぽっちゃりして見えます。
「体重が軽ければ痩せていて、重ければ太っている」という間違った常識
ダイエットの情報がこれだけ溢れかえっている今でさえ、この間違った常識を信じている人がたくさんいます。
実際、女性は体重が低ければ低いほど幸せに感じる傾向があります。たとえ「健康的な目標体重」にあるときでさえ、さらに体重が減ると嬉しいと言う人が多いです。
(ちなみに男性は、体重よりも「ベルトがゆるくなった」といったようなことをダイエットがうまくいっているかどうかの判断基準にする傾向があります)
体重は単なる数字です。体重だけを見ていても意味がありません。ダイエットをするうえで本当に大事なのは「筋肉率を上げる」ことです。
体重を減らすことだけを目標にしてしまうと、痩せても皮膚がダルダルになったり痩せこけた病人のような見た目になったりします。さらに悪いことは、身体を壊す危険があるということです。
しかし、筋肉率を上げることにフォーカスしてダイエットすれば、引き締まった美しい身体になり、さらに健康レベルも上げることができます。
健康的なダイエットを行うポイント
体重の増減で一喜一憂しない
体重が増えたからといって、落胆したりやる気をなくしたりしないでください。
筋肉率を上げることを目標とした健康的なダイエットを行うと、一時的に(筋肉が増えた分)体重が増えることがあります。
体重が増えても筋肉率が上がっていれば、あなたのダイエットは順調に進んでいるということです。
落ち込む必要は全くなく、むしろ喜ぶべきことです。
ダイエットを諦めない
体重が減らないからといってダイエットを諦めないでください。
結果には必ず原因があります。体重が減らない(増えた)のには必ず理由があります。
食べ過ぎたのかもしれないし、大して影響がないと思って食べたおやつのカロリーが思っていた以上に大きかったのかもしれないし、筋肉率が上がったのかもしれません。
また、体重は水分によって簡単に上下します。増えた1キロは、体重を測る直前に飲んだ飲み物の分かもしれません。
身体のことを知ってください。前向きな姿勢で身体について学んでください。そうすれば道を踏み外すことなく、正しいダイエットの道を歩み続けることができます。
「短期的な処置」ではなく「ライフスタイルの変更」にフォーカスする
健康的なダイエットを行うには、ライフスタイル全体に焦点を合わせる必要があります。
具体的には「バランスの取れた栄養摂取」「定期的な運動(体力、筋力、柔軟性を高めるもの)」「ストレス管理」などです。
健康的なダイエットをするためには、この3つすべてを網羅する必要があります。
食事制限が運動の代わりになるとは思わないでください。運動にはカロリーを消費すること以上のたくさんのメリットがあります。
また、ストレス管理のためだからといって、クッキーをストレス解消の手段にするのもやめてください。短期的には幸福感を得られるかもしれませんが、長期的には間違いなくあなたの健康を害します。
筋肉率を上げるために運動する
運動はカロリーを燃やしてダイエットを加速させるという効果の他に、筋肉率を上げる(維持する)という効果もあります。
筋トレなどの筋肉率が上がるような運動を行い、タンパク質を豊富に含むバランスの取れた食事を取ることで、ダイエットで体重が減っても筋肉を維持することができます。
体脂肪を減らし、筋肉を増やし、ウエストを整え、全体的な見た目と幸福感を向上させることは、「ただ体重を減らす」という目標よりもはるかに良い目標です。