最近はグルテン(小麦、ライ麦、大麦に含まれるタンパク質)が入っていない食品を探すのがずいぶんと楽になりましたね。
グルテンフリーの食品―ベーグルからビールまで、あらゆるものがかつてないほど店頭に出回り始めています。
昨年だけでも、アメリカではグルテンフリー食品に26億ドルを費やしています。グルテンフリー好きな彼らは、もっともっと、グルテンフリー食品を購入したい思っています。
「グルテン不耐症」や「グルテン過敏症」な人々にとって、グルテンフリー食品は非常に助かります。
しかし、グルテンフリーバブルは、多くのグルテン不耐症やグルテン過敏症には縁のない人たちによって作り上げられています。
なぜなら、彼らはグルテンフリーがダイエットのための素晴らしい戦略だと考えているからです。
「グルテンフリーダイエットは売れる!」と思っている食品メーカーが、営利目的で企業努力をします。
あなたがグルテンフリーダイエットを選択するなら、グルテンフリーの熱狂には気をつけたほうがいいですよ。
なぜなら、グルテンフリーはかならずしもカロリーフリー(低カロリー)ではないからです。
グルテンフリーダイエットの熱狂
グルテンフリーダイエットの熱狂は、数年前の「ローカーボダイエット(低炭水化物ダイエット)」のブームの終焉を思い起こさせます。
低炭水化物ダイエットが初めて普及した当時は、食事は主に炭水化物を除く生活をしなくてはいけませんでした。
必然的に、残るのは
- タンパク質
- 脂肪
- ごく限られた数の果物や野菜
です。
そうなると食料の選択肢があまりにも限られ、カロリー計算の必要がなくなります。ちなみに、炭水化物量を一日の最低限に抑えるのはとても簡単でした。
低炭水化物ダイエットのメリット
低炭水化物ダイエットでは、食べたい肉を全部食べられるにも関わらず体重を減らすことができました。
メカニズムはこうです。
- 食べられる食品の種類があまりにも少ないので、食べる量を減らすことになります
- 結果的に体重は減ります
それでうまくいきました。めでたしめでたし。
が、食べられる食品の種類があまりにも少ないので、低炭水化物ダイエッターは徐々に飽きてきました。
そこで、チャンスを逃したくない食品メーカーは、猛ダッシュで「低炭水化物食品」を市場に送り込んできました。
パン、クッキー、ケーキ、キャンディーバー、などの炭水化物表記を下げて売るようになりました。「低炭水化物ダイエッターに最適です」という戦略です。
結果的に、低炭水化物表示製品は売れに売れました。
炭水化物だけを計算するダイエットは簡単
そもそもの「食べられる種類があまりにも少ないのでダイエットができた」という構造が、変わってきました。
食品メーカーの企業努力で「低炭水化物ダイエッターにも食べられます」という食品が増えたからです。
食べられる種類があまりにも少ないことに飽きた人々は、以前よりも多くのカロリーを消費するようになりました。当然のことながら、体重は上昇し始めました。
なぜでしょう?
多くの人は、炭水化物の量が少ないと宣伝されているにもかかわらず、炭水化物だけを数えることに慣れてしまって、他の多くの食品にカロリーが充満していることに気付かなかったのです。
グルテンフリーでも同じことが起きている
グルテンフリーダイエットを実践するには、パン、パスタ、ケーキ、パイ、クッキー、プレッツェルなどのグルテンが含まれた食品群を放棄する必要があります。
そのためグルテンフリーダイエッターは、グルテン含有食品の代わりに果物や野菜から炭水化物の摂取を増やします。
これは、体重減少のための悪い戦略ではありません。しかし、今ではグルテンフリーのシリアル、ブラウニー、グラノーラ、ケーキ、クッキーが用意されています。
カロリーに注意を払わない限り、グルテンを避けるだけではダメですね。
食品ラベルをかしこく読み解く
グルテンフリーのブラウニーミックスやケーキミックスのラベルを通常のものと比べると、同じ量、同じカロリーということが読み取れます。
私の言いたいことがわかるでしょう。
つい先週、私はコンビニで、グルテンを含まない米粉パンやグルテンフリーと表記されている商品のラベルをよく読みました。
脂肪が20グラム、カロリーが450キロカロリーあるため、ダイエット食品としての資格はほとんどありませんでした。
グルテンを避ける理由が何であれ、カロリーを見る必要がある
もし、昔の低炭水化物ダイエッターのようにグルテンの摂取のみに注意を払っているなら、高カロリーでグルテンを含まない食品は、ダイエットには全然向いていませんね。
グルテンだけでなく、カロリーをちゃんと見る必要がありますよ。