最近は、テレビでも「腸内環境」や「腸内フローラ」の話題が多いので、気にする方も多いかもしれません。
見た目だけでなく身体の芯からの健康を手に入れるためには、内臓と消化機能、腸内環境について知っていたほうがいいですよね。
消化・吸収の流れ
- 食べたものが「口」のなかで細かく噛みくだかれ、「食道」に飲み込まれる
- 「胃」のなかで胃液によって溶かされる
- 「小腸」で消化・吸収される
- 必要な栄養素は「血管」へ運ばれる
- 最後には不要なものが「便」となって排泄される
では、気になる腸内環境について説明しますね。
大腸には約100兆個の「腸内細菌」がいる
腸内細菌は「善玉菌(二割)」「日和見(ひよりみ)菌(七割)」「悪玉菌(一割)」の三種類にわけられます。
あなたの腸内環境が、善玉菌が多い正常な状態であればなにも問題ありません。
名前からして悪そうな悪玉菌が増えると、腸内環境が悪化します。すると、腹部の膨らみや便秘につながり、結果的に肥満の原因となります。悪玉菌が増える原因は食べ過ぎ、不規則な生活、運動不足、ストレスなどです。
食べ過ぎや運動不足で、腸のなかの腸間膜に「中性脂肪」が蓄積されます。中性脂肪が過剰にたまると、脂肪細胞から分泌される善玉物質が減少し、悪玉物質がさらに増加します。
その結果、動脈硬化や生活習慣病をさらに進行させてしまい、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)へつながります。
要するに、悪玉菌が増えるとあなたの体には良くないということですね。
腸内細菌のバランス
- 悪玉菌が多いと、日和見菌が悪玉菌化されます。理由は、「日和見(ひよりみ)」菌だから
- 善玉菌がたくさん入ってくると、日和見菌が善玉のほうに傾きます。理由はおわかりですね
- 善玉菌+日和見菌が増えてシーソーのバランスが善玉菌側にかたよると、健全な腸内環境になれます
あなたのお腹のなかに「花畑」を作る方法
あなたの食生活が油や脂肪、糖分の多いものばかりだと、あなたの腸内環境は「雪解けのグランド」のようなドロドロでぐちゃぐちゃな状態になります。
ドロドロのグランドを畑にするなら、まずは土地を耕さなくてはいけませんね。これは、生活習慣や食生活を健康的なものにするということです。
- きれいな花畑を作るためには、良い種をたくさん蒔(ま)いて、いっぱいの花を咲かせなくてはいけません
- そのために、良い種である「善玉菌」をたくさん植えてあげます
- 種を植えて肥料を与えると、どんどん育ちます。さらに種が増えます
- この場合の肥料は「日和見菌」です
肥料を得た種はどんどん育って、時間がたつときれいな花畑「腸内フローラ」ができてきます。
良い種とは善玉菌のことです。善玉菌はヨーグルトに含まれているビフィズス菌や乳酸菌です。納豆やキムチにも乳酸菌は入っています。
日和見菌とはレンサ球菌や腸球菌、無毒の大腸菌です。これは食物繊維に多く含まれています。
悪名高い悪玉菌とは河川、下水、海、土壌中に多く生息するウェルシュ菌やブドウ球菌、有毒の大腸菌などです。
だから、毎日善玉菌を取り入れて食物繊維をたくさん食べると、あなたのお腹にとってすごく良いということですね。
きれいな花畑を作るために、種と肥料のほかに何が必要か?
それは「水」です。
このブログでもよく出て聞くる話題ですが、水は健康的なライフスタイルに不可欠です。水が果たす役割は多いのです。
とくに水は消化の過程を最初から最後まで支えるので、すごく重要です。
「腸内フローラ」の重要性
こうした消化器官の健康への新たな関心は、健康的な「腸内フローラ(微生物叢)」の重要性について多くの新しい科学が台頭していることとも関係しています。
消化管内に存在し、体内の健康に多大な影響をおよぼす腸内フローラの詳細についてお話しします。
まずは言葉の定義から理解しましょう。
- プロ・バイオティクス:良いバクテリア、善(よ)い腸内細菌。善玉菌のこと
- プレ・バイオティクス:プロバイオティクスのために「役立つ食べ物」として機能するある種の繊維などのこと。体内で日和見菌になってくれる
あなたの消化器系を健康で幸せに保つために、プロ・バイオティクス(良いバクテリア)やプレ・バイオティクスと適切な食物繊維を使用して体内システム内の廃棄物を移動させ、体内の規則性を促進します。
忘れてはいけない、もっともシンプルで基本的な構成要素が「水」です。
少し詳しく説明します。
「水」が健康的なダイエットや食生活をサポートするメカニズム
水は消化過程のあらゆる段階に関与しています。これは、十分な水分を取ることが健康にとって非常に重要なもうひとつの理由です。
水は、消化器の初期段階である「唾液」の主要な成分です。唾液はいくつかの機能を提供します。
まずは食物を湿らせるのに役立ち、食べ物を噛んで飲み込むことをより容易にします。
また、唾液は「脂肪と炭水化物を化学的に分類するための酵素」の運び屋でもあります。
食物が胃に移ると、「胃液のジュース」が放出されます。ここでもたくさんの水が使われます。
これらの胃液ジュースは、タンパク質と炭水化物をより細かく分解する酵素とともに、食物の消化のための旅への準備をします。また、酸性消化液や胃の内側を覆っている粘液にも水分が必要です。
食べ物が小腸のなかを移動するにつれて、水によって促進される消化作用も増えてきます。
さらに、水分をともなう分泌物は、膵臓や肝臓だけでなく腸の内層自体からも小腸内に注入されます。
酵素は、化学反応プロセスを加速し、消化の最終段階の「吸収」の準備をするのに役立つように働きます。
吸収の準備とは、タンパク質をアミノ酸に、脂肪を脂肪酸に、そして炭水化物をグリコーゲンやブドウ糖にする過程のことです。
ほとんどの栄養素の吸収は小腸で行われ、消化された栄養素は血流に乗ってまるでゆったりとした川下りのように水の環境を流れていきます。
消化が大腸で進行する過程では水が極めて重要
オート麦、豆、および大麦のような食物から摂取できる「可溶性の食物繊維」は、体内で水に溶けて増量し、満腹感を与えてくれます。
全粒穀物およびほとんどの野菜のような食物から摂取できる「不溶性の食物繊維」は、規則的な便通を促進するのに役立っています。不溶性の食物繊維は、水分を吸収するというよりも、水分を閉じ込めて引き寄せる傾向があります。
健康的な消化は、適切な食物繊維に依存していることは間違いないです。
最後に「運動」も重要です。運動中に骨格筋を動かすと、同時に消化管の平滑筋を刺激して消化吸収システムの規則性を促進します。
しかし、もっともシンプルで基本的なことを忘れないでください。
見た目だけでなく身体の芯からの健康を手に入れるための「内臓と消化機能、腸内環境システム」をスムーズに稼働させるために、毎日大量の水分を取り込んでくださいね。