「もう年だから、痩せないのよ~」「年を取ったら体重が増えるのは仕方ないわよね~」
多くの人は、年を取るにつれて体重が増えます。ですが、実は必ずしもそうなるとは限らないのです。
今日の記事では、
- なぜ年齢とともに徐々に体重が増えていくのか?
- それを回避するために何ができるか?
についてお話しします。
私は、クライアントであるダイエットクラブのメンバーさんに、「年を取るにつれて太っていく」と何度言われたかわからないです。
そう言ってくるメンバーさんは、毎年ちょっとずつ体重が増えていきます。その方は、「私だけじゃない。みんな年を取るにつれて太っていくものなんだ」と思い込んでいます。
しかし、「加齢による体重増加は誰にでも当てはまることではない」というのが真実です。
たしかに、中年になると安定して体重が年平均0.5~1キロずつ増える人もいます。しかし、誤差のような体重増加(だけど気づけば10年で5~10キロの増加)が多くの人に起こるからといって、あなたにも必ず「加齢による体重増加の悪夢」が待ち構えているわけではありません。
なぜ人は年を取るにつれて体重が増えるのか?
年を取るにつれて体重が増えるのは、避けられないように思えるかもしれません。しかし本当のところは、しっかりと対策すれば避けられるのです。
年を取るにつれて体重が増える人が多いのは、加齢が原因の「体重管理がより難しくなるような課題」が山ほどあるからです。
運動時に消費するカロリーの減少
年を取るにつれて、運動量が減ったり運動の負荷(強度)が下がったりする傾向があります。そのせいで、一日を通して消費されるカロリーが減少します。
運動量が減っているのに20代のようにバクバク食べていれば、体重が増えても不思議ではないですよね。
体組成の変化
「筋肉細胞が若いときのように修復されないこと」も理由のひとつです。
若いうちは、日常の筋肉の消耗は比較的早く補われます。しかし、時間の経過とともに修復速度が遅くなり、筋肉量が減ります。
また、ホルモン(エストロゲン、テストステロン、成長ホルモンなど)の産生が加齢とともに自然に低下することもまた、筋肉量の減少の一因となります。
筋肉組織は、多くのカロリーを消費する働きをたくさんします。加齢による筋肉組織の喪失は、以前に比べて一日当たりのカロリー消費量を減らすことを意味します。
つまり、年を取れば代謝率は低下するのです。
この新陳代謝の微妙な変化は、すでに20代から30代には始まります。 筋肉組織が徐々に失われ、体脂肪が増え始めます。
女性はだいたい40才、男性は60代に入るころまでに、10年ごとに筋肉量の約6~8%を失い始めることが研究で分かっています。つまり「代謝率が10年ごとに約10%低下する」ということです。
食生活の変化
あなたのカロリー消費量が低下しているなら、そして体重増加を避けたいなら、カロリー摂取量にもブレーキをかける必要があります。
多くの人は、移動量や活動量がずっと少なくなったのに20年前の食べ方を継続するせいで、結果的にカロリーを摂り過ぎています。
しかし、高齢化にともなって起こるもうひとつの問題には、食生活の変化もあります。
育ち盛りの子供たちがいたときの感覚が抜けず、食事を作りすぎてしまう人がいます。
また、子供たちがみんな巣立ってしまった夫婦二人だけの家では、「作っても食べる人がいない」という理由で健康に良い食事の用意をやめる傾向にあります。その代わりにクッキーやパンを焼いたり、高カロリーのコンビニ食品やファストフードに頼ったりします。
「家で少量の料理をするぐらいなら外食のほうが簡単」と思って、カロリーコントロールが犠牲になります。そして、年を取って忙しくなくなるにつれて、食事が「子供のための栄養のある食事」から「カロリーを消費する娯楽」へと変化するのです。
加齢にともなう体重管理に関する6つのヒント
「加齢による体重増加は避けられない」という神話を信じてはいけない
その態度では、体重をチェックするのに必要な措置を取る可能性がかなり低くなります。
中年になったからといって、体重が増えるのをボーッと眺めている必要はありません。また、もしすでにそうなっていたとしても、それをコントロールするのに遅すぎるということはありません。
少なくとも週に数回は運動する
自分の身体を甘やかさないでください。
筋力トレーニングは、筋肉を維持し、身体を若返らせる(=アンチエイジング)ためにできるもっとも良いことのひとつです。
筋肉細胞は脂肪細胞よりずっと早くカロリーを消費するので、筋肉量を増やすと代謝率が上がります。
「自分は年を取り過ぎているから」と思わないでください。適切な抵抗運動(筋トレなど)をすれば、80代の人でも筋肉の大きさや強度が増えることが研究で示されています。
心臓の健康を維持する
心臓が健康であれば、体重の増加を抑えることができます。
心臓を鼓動させる運動は全てカロリーを消費することになるので、毎日少なくとも30分の心臓血管運動を目指しましょう。
時間がたつにつれて歩いたりジョギングしたりするペースが遅くなってきたら、以前よりカロリー消費も減ることを忘れないでください。それを埋め合わせるには、カロリー摂取量を少し減らすか、できればもう少し運動をする必要があります。
しばらく運動していなければ、運動を始める前に必ずドクターに相談するようにしてください。
「低カロリーで大容量の食品」でおなかを満たす
野菜やフルーツはカロリーが比較的低く、栄養価の高い食品です。
野菜や果物は栄養素を豊富に含んでいるだけでなく、水や繊維も豊富に含まれています。
そのため、野菜はあなたのお腹を満たすのに役立ちます。
食事や間食でタンパク質を摂取する
タンパク質は、筋肉量の構築や修復だけでなく、空腹感の抑制にも役立ちます。薄味なソースを選べば、カロリーを低く抑えてタンパク質を摂取することができます。
シーフード、鳥の胸肉、卵白、低脂肪または無脂肪の乳製品や赤身の肉を選んでください。スムージーやシェイクには、豆腐、豆、ヒラマメ、タンパク質粉などを加えてください。
フードログ(食事日記)をつける
日記はやる気を持続するのに役立ちます。
毎日体重をチェックして、「何を食べたか」「その日の運動量は?」「どれだけ水を飲めたか」を書き留めてみてください。そうすれば、自分の努力の結果や報酬を追跡できますよ。
まずは、今日読んだことで、できることからやってみましょう。